[AL増反射(AL-HR)膜]
高屈折率膜単層構成に対し、誘電体膜として低屈折率膜(L膜)とH膜を複数積層した構成がAL増反射膜です。一般的に、H膜にTiO2、L膜にMgF2が用いられます。成膜時に基板を加熱する必要がありますが、AL増反射膜はAL単層膜よりも高い反射率を得ることが可能です。
誘電体膜が「L+H」の2層のものをAL増反射膜(AL-HR)と呼び、「L+H+L+H」の4層のものをAL増々反射膜(AL-HHR)、「L+H+L+H+L+H」の6層のものをAL増々々反射膜(AL-HHHR)と呼ぶことがあります。通常は誘電体の層数が増えるほど、反射率が向上します。その反面、反射の波長帯域が狭くなります。
AL増反射膜は、優れた光学特性とともに耐蝕性・コスト性を兼ね備えており、一眼レフカメラや液晶プロジェクタなどの光学機器における全反射ミラーとして、広く使用されております。