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ハーフミラー(HalfMirror)

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[ハーフミラーコート]

洗面台等に広く使用されている一般的な鏡には、全反射ミラー コート(光が透過しない)が成膜されています。これに対して 入射する光を一定の割合で透過・反射させる機能を持たせた成膜が ハーフミラーコートです。

[ハーフミラーコートの種類および用途]

ハーフミラーコートには、一般的に誘電体多層膜や金属膜が 用いられます。これらに加えて当社では誘電体膜と金属膜 を組合せたハイブリッドハーフミラーも成膜可能です。

ハーフミラーの用途は、カメラ等の精密光学機器からマジック ミラーウィンドウのような大きなものまで多岐に亘っており、 当社ではご用途・ご要望に合わせて最適な膜種を提案致します。

ハーフミラーの種類および特徴

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誘電体HM・金属HM・ハイブリッドHM

金属HMはクロム等の金属単層膜を基板に積層したもので、膜厚によってその透過・反射特性は制御されます。ほとんどの金属は成膜時に基板加熱を必要としないため、ガラス以外にもプラスチック等にも成膜可能です。しかし、膜における光吸収があるため、金属HMの光利用効率(透過率と反射率の合計)は100%にはなりません。一方、誘電体HMは誘電体膜を基板に複数積層したものです。
金属HMと比較してコスト高になりますが、膜における光吸収が非常に小さいため、光利用効率はほぼ100%です。ハイブリッドHMは金属膜と誘電体膜を併用したHMであり、両者の特性を活かし様々な特性を実現できます。

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グラディエントHM

1枚の基板の中で任意の透過・反射率分布を実現したものがグラディエントHMと言います。グラディエントHMは膜厚により透過・反射率が変化する金属HMの特性を利用し、膜厚傾斜を持たせたものです。

特殊マジックミラー

2つの部屋の間にHMを配置すると、片方の部屋からは HMを透過した向こう側の景色と、HMで反射した手前側 の景色が重なって見えます。誘電体HMや金属HMは表面 ・裏面の反射率がほぼ同等ですが、両側の明るさに大きな 差がある場合には、暗い部屋から見ると向こう側の景色が 良く見えますが、明るい部屋からは手前の景色が映り込み 向こう側の景色が良く見えません。このように、片側から のみ向こう側が良く見えるのがマジックミラーの作用です。

これに対し、ハイブリッドHMの一種である特殊マジック ミラーは、片面の反射率のみをほぼゼロにすることにより、 2つの部屋がともに明るい場合でも、HM機能が有効に機能します。

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    特殊マジックミラーの原理

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    通常マジックミラーの原理

適用例:駒沢公園動物病院様

動物病院の待合室と処置室の間の窓に当社の高性能マジックミラーが使われております。待合室から処置室の様子は見えないようにし、処置室から待合室の様子は見えるようにしたいというご要望でしたが、どちらも同じ程度の明るさであるため、通常のマジックミラーではうまく作用しません。
そこで特殊マジックミラーを適用したところ、待合室からは周りの景色が映り込んで処置室の中がほとんど見えず、処置室からは待合室の様子がよく見えるようになりました。

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    待合室から見た図

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    処置室から見た図